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利用者さんの声

日ごろ、てとてのサービスをご利用いただいている松本さんに、(使ってみてよかったこと)(訪問支援の役割)についてインタビューさせていただきました。

インタビュー  :松本さん
インタビューアー:増子
カメラマン   :崎本
※このインタビューはご本人である松本さんの許可を得ておこなっております。

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増子:
僕は松本さんへの訪問のなかで、逆にいろいろと教わることが多いんです。

松本さんが通っていらっしゃる作業所の中で自分が納得できない部分に対してこう思ったとか、他の人に注意する時にはこう声掛けしたほうが良いのかなとか、おっしゃってくださるじゃないですか。僕にとってはそういうことが勉強になっています。

では、松本さんご自身は、訪問があったからこれができたとか、訪問看護の良さと思うことはありますか?もしあれば教えていただけますか?


松本:DSC_0648-1 (3)
う~ん。やっぱり、いろいろ話ができるっていう点だね。

どうしても(自分が)弱くてストレスをためすぎて、それで(以前は)暴れまくって大変でしたから。

一年前自分がやってしまったことはすごかったですから。保護房も3か月間入れられましたから。違う世界を見てきました。


増子:
そこには、絶対戻りたくないってね。ずっとおっしゃってますね。


松本:
そこには、絶対戻りたくないですね。あの世界は異常ですよ。
そういうふうに管理していかないと、(保護房の管理は)できないんでしょうけどね。


増子:

DSC_0670-1 (2)そこに戻らないために、いろんな気をつける点があると思うんですよ。

僕も訪問させてもらって、やっぱりあそこに戻りたくないから不眠の時の薬の使い方についてどうしたら良いかご相談されたり、症状が出てきた時にも、なんとか踏ん張れているうちは大丈夫だとおっしゃって、そのラインを超えた時にどうするかという話をしていますよね。

一度だけですが、外来の先生と一緒にお話しもさせていただきました。

でも、普段は作業所やご家族とのやり取りのお話しを聞くことが多いですよね。それで訪問看護として事足りているのかと思う時もあるんですけども。


松本:
役に立ってると思うよ。(病院から退院直後に訪問した時に「地域には友達がいない。

入院中に親しくした人がいるから、病院に戻りたいな」という)話をしているうちにはっきり増子さんに言われたのは「病院内でできた友達とは、(その方が入院している状態で関係を深めるのは)難しい」っていうこと。

それははっきりわかったし。

せやけど、(その人が退院したので)、外来とかで会えば話ぐらいはするけどもね~。

増子:
松本さんにとって充実した生活とか豊かな生活っていうのは、いろんな交友関係が豊かであること。

お友達と豊かなやり取りをするってことですよね。

それをするにはどうしたら良いかを話せる、それが訪問看護の良いところという感じでしょうか。

僕も松本さんが、作業所の中でいろんな人との関係をすごくよく見てらっしゃると思うし、むしろ作業所の人間関係も強めている、深めていると思います。

それを後方からサポートするというか、お話聞いてるだけなんですけどね(笑)そんな気持ちがあります。


松本:
そんなふうに作業所でうまくやっているわけじゃないですよ、違いますよ~(笑)。

やっぱしこう、いろんな人がいますからね。

仕事中にしゃべくりまくってる人とかね。


増子:
おっしゃってましたね(笑)。


松本:
もうこれはしょうがないなって感じですけどね。やっぱし。

(そういう人がいたとしても)いろんな人と話して理解したいなって思いますね。


増子:
松本さんにとっては、いろんな人と話すことは、どういうことがプラスですか?


松本:

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そうですね、例えば外来で会う人達ですけど。入院中、一緒だった人達。3人いるんです。

友達というよりは「ただ単に外来で会うだけ」で「ああ、あいつまた来てるわ」って感じで。

別に、喫茶店に行くわけでもないんだけど、そこで気にかけているんですよ。

そういう、べったりくっつく訳ではないんだけども、ちゃんと気にかけてる、気にかけてくれるっていう関係はプラスですねえ。

みんな、保護房を経験しているしね。


増子:
この年末年始はいろいろと大変で、僕も少しだけ訪問を増やしたりさせていただきましたけど、
今年は乗り切った感があるじゃないですか。それも、その方々の存在が大きかったと。

 

松本:

DSC_0666 (2)ものすごく大きかったですねえ。お互いに心配しあってね。

それぞれ、立場も日々やっていることも全然違うんですよ。でも、そういうことを超えて心配しあえることが大きいね。やっぱり、入院中のことをお互い知っているからね。

一言にまとめれば、「同じ体験を共有している」ってことね。

あと「『もう入院しないぞ』という同じ目標を共有している」ということも大きいね。


増子:
そういう人間関係をつくられて支え合っている松本さんに、改めて、訪問看護ができることは何でしょう?


松本:
繰り返しになるけど、話を聞いてくれるだけでいいんですよ。

今、自分が考えていることが「正しいのか正しくないのか」「行き過ぎた考えなのかそうじゃないのか」

そんなことを判断するタネになるからね。


増子:
松本さんに対する、増子の反応をお見せすることや感想をお伝えすることで、ということでしょうか?


松本:
ええ。

「やっぱりそれでいいんだな」とか「あ、ちょっと考え過ぎだったのかな」って、気づけるのがいいんですよ。


増子:
なるほど~。

今回は、訪問看護の役割について改めて考えさせらるにとどまらず、当事者の方々の支えあい(ピアの支えあい)についても、実践されている松本さんから教えられる時間となりました。

本日は、ありがとうございました。


松本:
いいえ~、こちらこそ!DSC_0656-1

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